福島から感謝を返す旅を続けている「にう」です。
47都道府県の一ノ宮を巡る旅、静岡県の2社目として訪れたのが、遠江國一宮・小國神社(おくにじんじゃ)です。

正直に告白します。
私はこの神社のことを、少し誤解していました。
直前に参拝した「事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)」が、とてもアットホームで可愛らしい場所だったため、ここも同じような空気感だろうと高をくくっていたのです。
けれど、一歩足を踏み入れた瞬間に背筋が伸びました。
私にとって小國神社は、「甘えを捨て、自分の足で立ち上がるための『静寂』がある場所」。
まるで日光東照宮のような杉並木の空気感や、徳川家康公ゆかりのエピソード、そして参拝後に心を「現実」に戻してくれる絶品団子の情報をまとめました。
また、全国の「一之宮神社一覧」はこちらでご確認いただけます。
小國神社とは?なぜ「一ノ宮」なのか

静岡県周智郡森町に鎮座する遠江國(とおとうみのくに)一ノ宮、小國神社。
創建から約1470年という長い歴史を持ち、約30万坪という広大なご神域は、古くから「許(もと)のままの姿」を留める森として守られてきました。
御祭神は「大己貴命(おおなむちのみこと)」。神話「因幡の白うさぎ」で知られる大国様です。
「結びの神」として縁結びや厄除けのご利益で知られますが、徳川家康公が戦勝祈願をしたことから「心願成就」「復活・再起」のパワースポットとしても篤く崇敬されています。

地元の人々からは「だいこくさま」として親しまれていますが、その空気感は「お武家さんの神社」と呼びたくなるような威厳に満ちているように感じました。
私が訪れた日も、曇り空の下、多くの参拝者が静かに手を合わせていました。
【実体験】杉並木のチューニングと家康公の石
2026年2月。
鳥居をくぐった先には、予想を遥かに超える光景が広がっていました。
心を沈殿させる、杉の回廊
茨城の御岩神社や、日光への杉並木を彷彿とさせるような、巨木の回廊。

「おくにじんじゃ」という柔らかな響きから、どこか軽やかな場所を想像していた自分を恥じました。「舐めていてすみません」と、心の中で謝りながら参道を進みます。
長い参道は、ただの移動距離ではありませんでした。一歩進むごとに、日常の忙ただしさが剥がれ落ち、心がシーンと鎮まっていく。
それはまるで、神様の前に立つために心を「チューニング」する装置のよう。
拝殿に伺う途中には全国の一之宮神社の神さまを祀る神社もあり、「全国の一之宮巡拝、ちゃんと見てるよ」と言われているような気がしました。

家康公の「人間らしさ」に触れる
境内で足が止まったのは、「家康公の立ちあがり石」の前です。

かつて家康公は、人生の瀬戸際とも言える戦いの最中、この石に腰掛けて休息し、そこから再び立ち上がって天下泰平を成し遂げたと伝わります。
歴史の教科書では「英雄」として描かれる家康公。
でも、実際は身長160cmにも満たなかったそう。
当時としては決して小柄ではないものの、どうしても現代の男性の平均身長172.7cmと比べてしまいます。
そんな彼が、この石にちんまりと座り、プレッシャーに震えながらも「助けてくれ、でもやるしかない」と自分を奮い立たせていたとしたら。
「弱くても、そこから立ち上がればいい」
歴史上の偉人が急に「血の通った人間」として迫ってきて、私の背中も押されたような気がしました。

家康公に背中を押されるように、拝殿へと向かいました。
森の奥で感じた「境界線」
拝殿での参拝を終え、人目につきにくい場所にある御神木(ひょうの木)の方へ足を運ぶと、空気がガラリと変わる瞬間がありました。

拝殿前には、多くの人の「願い」や「想念」が渦巻いています。
それはとても人間らしいエネルギーです。
けれど、一歩奥へ踏み込むと、そういった人の気配が消え、純粋な「自然」だけの領域になる。

私という人間の輪郭が曖昧になり、ただの景色の一部になるような感覚。
この「厳しさ」を含んだ静寂こそが、小國神社の本質なのかもしれません。
いただける御朱印・お守り・見どころ
参拝後、授与所へ。広々とした境内には、厳しさだけでなく、心をほっとさせてくれるスポットもありました。
- 御朱印:シンプルで力強い墨書き。直書きのほか、意匠を凝らした書置きもありました。
- お守り:さまざまなお守りのなかから、ご神木になぞらえた「ひょうの実守り」を分けていただきました。
- 金銀石:境内にある松には「金運が上がる」「良縁に恵まれる」との案内が。静寂の中でも、こうした「ミーハー心」を許してくれる遊び心に救われます。遠慮なく触らせていただきました。



【重要】アクセス・駐車場・ことまち横丁
小國神社へのアクセスは、車(レンタカー)が基本となります。新東名高速「遠州森町スマートIC」から約7分と便利です。
わたしは掛川駅周辺でレンタカーをお借りしました。
JR袋井駅からのバスも運行しているようです。
詳しくは小國神社のWEBサイトからチェックしてみてください。
駐車場事情(実体験メモ)
- 混雑状況:私が訪れたのは土曜日でしたが、鳥居の目の前にある第一駐車場は「満車」で驚きました。多くの人が訪れている証拠です。
- 狙い目:鳥居から少し離れた場所にある第二駐車場は、ガラガラでした。レンタカーを擦るのが怖い方や、少し歩いて参道の雰囲気を楽しみたい方は、手前の駐車場に停めるのがおすすめです。

参拝後のお楽しみ「ことまち横丁」

参拝を終えたら、門前にある「ことまち横丁」へ。
ここで食べたお団子が、この旅のハイライトの一つになりました。
「お好み焼き団子」「明太子団子」「チーズペッパー団子」。

団子といえば甘いもの、という常識を覆す、スナック感覚の塩気!
これが驚くほど美味しいのです。昼食代わりにもなります。
静寂の中で内省したあと、この「しょっぱさ」を噛み締めると、一気に現実世界へ引き戻されます。
その感覚がとても心地よいものでした。
参拝後の変化と、日常への戻り方
帰りの車の中で感じていたのは、何かを「もらった」感覚よりも、余計なものが「落ちた」という感覚でした。
願い事は、神様に丸投げするものではなく、神様の前で「私はこう生きます」と宣言するもの。
家康公があの石から立ち上がったように。
「ここからまた、始めていこう」
そう静かに決意して、私は日常へのアクセルを踏みました。
もしあなたが、日々の役割に疲れ、もう一度自分の足で立ちたいと感じているなら。
遠州の森の静寂が、あなたを待っているはずです。

また、全国の「一之宮神社一覧」はこちらでご確認いただけます。