「大阪 一之宮神社」と検索すると、いくつかの神社名が並びます。
けれど実は、大阪に“ひとつだけ”の一之宮神社があるわけではありません。
大阪はかつて、摂津国・河内国・和泉国という3つの旧国に分かれていました。
そしてそれぞれの国に、一之宮と呼ばれる神社が存在します。
この記事では、
- 大阪の一之宮神社はどこなのか
- 旧国ごとの一宮一覧
- 実際に訪れて感じたこと
を、情報と体験の両方から丁寧にまとめます。
なお、全国の「一之宮神社一覧」はこちらでご確認いただけます。
※全国の一之宮一覧は中世諸国一宮制の基礎的研究(岩田書院、2000年)を元に作成。全国一の宮会非加盟の神社や、論社(式内社を受け継いでいる可能性があるものの確定ではない神社)も含まれています
大阪の一之宮神社は何社ある?まずは結論から


結論からお伝えすると、大阪の一之宮神社は旧国ごとに存在します。
- 河内国一之宮:枚岡神社
- 和泉国一之宮:大鳥大社
- 摂津国一之宮:住吉大社
一之宮とは、平安時代に国司が国内で最も社格の高い神社として定めた神社のことを指します。
「一宮」「一之宮」と表記は異なりますが、意味はほぼ同じです。
けれど、ここで少し視点を変えてみます。
一之宮とは単に「格が高い神社」なのでしょうか。
長い時間、地域の祈りを受け止めてきた場所。
それが一之宮の本質ではないかと、私は感じています。
格式という言葉の奥には、
「この土地の人たちが、困ったときも、嬉しいときも、立ち戻ってきた場所」
という意味が含まれているのかもしれません。
河内国一之宮|枚岡神社

基本情報
河内国一之宮とされるのが、東大阪市に鎮座する枚岡神社です。
創建は神武天皇即位前とも伝わる古社で、春日大社の元宮ともいわれています。
主祭神は天児屋根命など。
国家安泰や開運、出世などのご利益で知られています。
近鉄奈良線「枚岡駅」から徒歩すぐ。
道路は少し狭いですが、駐車場もあり、アクセスは比較的便利です。
御朱印も授与されています。

実際に立ってみて感じたこと
わたしは2026年1月に参拝しました。
枚岡神社を訪れたとき、駅を降りてすぐ目に入った急な坂道と緑の景色に、「大阪=平地」という思い込みが静かに崩れました。
境内は地域の暮らしに溶け込むような温かさがあり、鳥の声や風の音がやわらかく響いていました。
拝殿で手を合わせたあと、歩いて約40分の本宮へ登るかどうか一瞬迷いましたが、その日は「登らない」という選択をしました。
ネタや達成感よりも、今の自分の状況を優先したかったのです。
その直後にiPhoneを落として画面が割れるという出来事もありましたが、不思議と「区切り」のように感じました。
感謝の道を歩きながら、ここで繰り返されてきた長い時間を思うと、自分の迷いも焦りも大きな循環の一部なのだと感じました。
枚岡神社は、何かを足す場所ではなく、自分の選択を静かに肯定する場所なのかもしれません。

和泉国一之宮|大鳥大社
基本情報
堺市に鎮座する大鳥大社は、和泉国一之宮。
主祭神は日本武尊です。
勝運や開運の神として広く知られ、「千種の森」と呼ばれる鎮守の森が印象的です。
JR鳳駅から徒歩圏内。
御朱印もいただけます。
摂津国一之宮|住吉大社

基本情報
摂津国一之宮とされるのが、大阪市住吉区に鎮座する住吉大社です。
創建は神功皇后摂政11年(西暦211年)と伝わる古社で、全国に約2,300社ある住吉神社の総本社とされています。
主祭神は住吉三神(底筒男命・中筒男命・表筒男命)と神功皇后。
海上安全や航海守護、開運厄除、商売繁盛などのご利益で広く信仰を集めています。
南海本線「住吉大社駅」から徒歩すぐ。
阪堺電車(路面電車)からもアクセス可能です。
初詣時期は大変混雑し、通行規制もあるので公共交通機関の利用が便利です。
御朱印も授与されています。

実際に立ってみて感じたこと
わたしは2026年1月に参拝しました。
住吉大社の鳥居をくぐる手前で、印象的な光景に出会いました。
路面電車の溝に車椅子の車輪がハマってしまった女性がいたのですが、すぐに周りの人々が駆け寄り、自然に助け出していたのです。
「ああ、大阪って温かいな」。
そんな人の体温を感じながら、境内へと足を踏み入れました。
私にとって住吉大社は、2011年の東日本大震災直後、親族の結婚式で初めて訪れた場所でもあります。
当時、福島では嗜好品が手に入らず、職場の皆から「大阪でタバコを買ってきて」と頼まれたことを思い出します。
帰りの車には、皆が心配して持たせてくれた支援物資が積まれていました。
あれから時が経ち、今こうして自由に旅ができている。
当時の「これからどうなるんだろう…」という不安を抱えた自分と、今の自分がここで重なり、静かな感謝が込み上げてきました。
住吉大社は、安全を願う場所というよりも、時間の循環の中で「今ここにいる自分」をそっと確かめる場所なのかもしれません。

坐摩(いかすり)神社も摂津一之宮を称している
坐摩(いかすり)神社は大阪市中央区に鎮座。
繊維や住居守護の神として知られています。
坐摩神社も摂津一之宮を称していますが、わたしが確認できる資料では、坐摩神社が一之宮である記述は見つけられませんでした。
時代の移り変わりによって、その国の一之宮神社が途中で変更することがあるので、坐摩神社が摂津一之宮だった時代があるのかもしれません。
一之宮という称号よりも、その場所が今も人の祈りを受け止めているかどうか。
そこに立ったとき、自分の内側がどう動くか。
そのほうが、私には大切に思えました。
現時点では資料として確認できる一之宮のみを巡拝していますが、ご縁ができたら坐摩神社もぜひ参拝したいです。
大阪の一之宮神社を巡るにあたって(失敗談あり)

大阪で一番格式が高い神社は?
旧国(河内国・和泉国・摂津国)ごとの一之宮が該当しますが、格式は歴史的背景によるもので、優劣ではありません。
大阪の一之宮神社を1日で巡れますか?
- 1日で回ることも可能(エリア次第)
- 御朱印を目的にするなら授与時間を確認
- 無理なスケジュールを組まない
一之宮巡りはスタンプラリーではありません。
移動の多い1日よりも、一社にゆっくり滞在する時間のほうが、後から心に残ることがあります。
なお、枚岡神社・大鳥大社・住吉大社を巡るなら、拠点は「天王寺」「なんば」をお勧めします。
わたしは枚岡神社と住吉大社を同じ日に巡った際、「門真市」を拠点にしました。
伊丹空港を利用したためです。
ですが、移動時間が少し長くなってしまったため、もう少し南に拠点を置けばよかったと思いました。
一之宮巡りに意味はありますか?
意味は、後から自分の中で見つかるものかもしれません。
まとめ|大阪の一之宮は“戻る軸”
大阪の一之宮神社は、
- 河内国:枚岡神社
- 和泉国:大鳥大社
- 摂津国:住吉大社
それぞれが、長い歴史の中で祈りを受け止めてきました。
お願いをしに行くのも、御朱印をいただくのもいい。
でももし今、少し立ち止まりたいと感じているなら。
一之宮は、何かを足す場所ではなく、自分に戻る場所かもしれません。
祈りは、日常に戻って完成する。
大阪の一之宮神社は、そう静かに教えてくれる場所でした。

全国の「一之宮神社一覧」はこちらでご確認いただけます。