静岡県掛川市にある遠江国(とおとうみのくに)一ノ宮、事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)。
「事任(ことのまま)」という名の通り、「願い事が言葉のままに叶う」神様として知られ、古くから多くの旅人が足を運んできた場所です。
こんにちは、福島で受け取った感謝を返すため、47都道府県を巡る旅(3巡目)を続けている、半農半カメライターの「にう」です。
今回の一ノ宮参拝は、単なる観光やパワースポット巡りというよりも、「今の自分の言葉と心をチューニングする」ような静かな時間になりました。

この記事では、雨の日の境内で感じた空気感や、本宮で石を磨きながら気づいた心の変化といった体験談に加え、これから訪れる方が気になるアクセス、駐車場の場所、いただける御朱印などの実用情報を、写真付きでまとめています。
忙しい日常の中で、自分の言葉を見失いかけている方の参考になれば幸いです。
また、全国の「一之宮神社一覧」はこちらでご確認いただけます。
事任八幡宮とは?なぜ「言葉の神様」なのか

事任八幡宮は、清少納言の『枕草子』にも名前が登場するほど歴史ある古社です。
最大の特徴は、なんといってもその名前。
「願い事が『言の葉』のままに叶う」という伝承があり、言霊(ことだま)の社として信仰を集めています。
主祭神の己等乃麻知比売命(ことのまちひめのみこと)は、言葉を通して事を取り結ぶ「言霊(ことだま)」の働きを持たれる神様。
己等乃麻知比売命が祀られているのは全国でも事任八幡宮だけなのだとか。
境内には樹齢数百年を超える大楠(触れることができます)やご神木の大杉が茂り、街道を行き交う人々を静かに見守る鎮守の杜として、今も大切に守られています。

難しい神話の知識がなくても、境内に入れば地元の方々に愛されていることがすぐにわかります。
例えば、拝殿の注連縄(しめなわ)。
よく見ると藁がぴょんぴょん飛び出して三つ編みが編まれている愛らしい形をしていました。
巫女さんに伺ったところ、これは氏子さんたちが年に2回、手作業で結い上げているものだそうです。
畏れ多い「神様」というよりは、地域を見守る「お母さん」のような、温かく懐かしい空気が流れている場所です。
【実体験】小雨が落ちる杜と、泥のついた石を磨く時間

この日はあいにくの小雨でしたが、到着してすぐに「あ、ここは太陽のような場所だ」と感じました。
雨音さえも心地よいBGMのように感じるほど、境内の空気は丸く、優しく、来る人を拒まない柔らかさがあったからです。
飾らない言葉で、自分と向き合う
拝殿での参拝を終えた後、私は赤い歩道橋を渡り、山の中腹にある「本宮」を目指しました。

本宮は石段を270段のぼって参拝します。

ここには、白い石を3つ選び、専用の紙「ふくのかみ」で磨くという習わしがあります。
(ふくのかみは社務所で分けていただけます)
1つは神様のため、1つはみんなのため、そしてもう1つは自分のために。
私がふと手に取ったのは、真っ白な石ではなく、少し泥のついた石でした。

雨が降ったりやんだりする中、その石をキュッキュッと磨いていると、ふと「綺麗な感情も、人に見せたくない感情も、全部ひっくるめて私なんだ」という思いが込み上げてきました。
無理にポジティブな言葉を使おうとしなくてもいい。泥がついたままでも、磨けば光るし、そのままでも愛おしい。
「願いを叶えてもらう」ために来たはずが、気づけば「今のままの私で大丈夫」という確認をさせてもらえたような、不思議な安堵感に包まれていました。
事任八幡宮の御朱印・お守り・授与品
参拝の証としていただける御朱印やお守りについても紹介します。

(撮影の許可をいただいています)
温かさが循環する御朱印

御朱印は社務所にて、直書きでいただくことができました。
社務所に御朱印帳を預けたら、番号札をいただくことができます。
拝殿後に御朱印帳をお願いし、本宮参拝後に受け取ることもできるそうです。
私が参拝した際は、女性の神職さんがとても丁寧に対応してくださいました。
少し多めに初穂料をお渡ししたところ、帰り際に「これ、お気持ちです」と地元のお菓子を手渡してくださり、その温かい心遣いに胸がいっぱいになりました。

ただスタンプラリーのように集めるのではなく、こうした「人対人」のやり取りがあるのも、一ノ宮巡りの醍醐味です。
言の葉まもり
授与品の中で特に気になったのが、わたしの個人事業主の屋号と同じ名前を持つ「言の葉まもり」。
言葉を大切にする仕事をしている私にとって、これ以上ないお守りだと感じ、授与していただきました。

アクセス・駐車場・所要時間
これから行かれる方のために、実際の交通情報をシェアします。
アクセスと駐車場
- 車でのアクセス:掛川駅から車で約20分。国道1号線(日坂バイパス)八坂ICからすぐです。
- 駐車場:
- 社務所前(南側):鳥居のすぐ横にあり、広くて停めやすいです。通常はこちらがおすすめ。
- 本宮側(北側):本宮の登り口付近にも数台停められるスペースがあります。
わたしは本宮側(北側)の駐車場にレンタカーを停めました。本宮まで参拝したあとに、すぐに出かけられるからです。
本宮側には5~6台を停めることができますが、わたしが停めたときは空きが2台ほどしかありませんでした。

本宮までの道のりと所要時間

- 所要時間:
- 拝殿のみ参拝:約20〜30分
- 本宮まで参拝:約1時間〜1時間半
- 注意点:本宮へは270段の石段を登ります。舗装はされていますが、雨の日や雨上がりは滑りやすい箇所もあるので、ヒールではなくスニーカーで行くのが安心です。

わたしが本宮に参拝した際は小雨でした。
林のお陰で雨に濡れることはありませんでしたが、両手を空けておいたほうが安全です。
傘をさすことは止めたほうが良いと思います。
参拝後の変化と、日常への戻り方

参拝を終えて車に戻ったとき、劇的な奇跡が起きたわけではありませんが、胸のあたりにあった「焦り」のようなものが消えているのに気づきました。
私が本宮で願ったのは、少し(だいぶ)大きすぎる祈りでしたが、私ひとりくらいそんなことを願う人がいてもいい。
そう思えたことで、肩の荷が下りたのかもしれません。
帰りの運転中、渋滞が断続的にありました。
レンタカーをお借りしていて締め切り時間があったのですが、焦らずに運転できました。
「ことのまま」とは、魔法のように願いが降ってくることではなく、私たちが発する言葉や心のあり方が、そのまま世界を作っていくということ。
事任八幡宮は、言葉と心が少しズレてしまっているなと感じた時、あるいは、ただ静かに「ありがとう」を言いたくなった時に、ふらりと訪れてほしい場所です。
全国の「一之宮神社一覧」はこちらでご確認いただけます。