福島から感謝を返す旅を続けている「にう」です。
2026年1月から、47都道府県の一ノ宮を巡る「3巡目の旅」を始めました。
その第一歩として選んだのは、私が住む福島県の一ノ宮、都々古別(つつこわけ)神社。

今回は観光というよりも、これから始まる長い旅の前に、地元の神様へ挨拶をし、少し立ち止まる時間を作るために訪れました。
一言で言うとここは、「静寂と生活が共存する、飾らない場所」です。
華やかな観光地ではありませんが、だからこそ感じられる冬の朝の空気感と、参拝に役立つ駐車場や御朱印情報をまとめました。
なお、わたしが今回巡っている「全国の一之宮神社一覧」はこちらをご覧ください。
都々古別(つつこわけ)神社とは?なぜ「一ノ宮」なのか
今回私が訪れたのは、棚倉町にある「八槻(やつき)都々古別神社」。
実はこの棚倉町には、「都々古別神社」という名前の神社が2つあるのをご存知ですか?
1. 馬場(ばば)都々古別神社:桃山建築の本殿が残る、静寂に包まれた神社
2. 八槻(やつき)都々古別神社:里の人々の笑い声が聞こえてきそうな、親しみやすい神社
どちらも由緒ある神社です。
私が今回「八槻」のほうを訪ねたのは、ここが昔から「農林業の神様」として、私たちと同じように土に生きる人々の生活に寄り添ってきた場所だからです。

なぜ「一ノ宮」と呼ばれるの?
「一ノ宮(いちのみや)」とは、その地域で一番格式が高い神社のこと。
東北(陸奥国)の一ノ宮といえば、宮城県の鹽竈(しおがま)神社が有名。
ですが、実はこの福島の都々古別神社も、平安時代の古い書物(『延喜式』)に「名神大社(みょうじんだいしゃ)」として記されているんです。
歴史の中では「どっちが本当の一ノ宮か?」なんて難しい議論もあったそう。
明治時代に「馬場も八槻も、どちらも素晴らしい一ノ宮(国幣中社)」と認められたことで、今は兄弟のように並び立っています。
遠くの有名な神社も素敵ですが、こうして地元の暮らしを千年以上守り続けてくれた神様が「一ノ宮」だなんて、なんだか誇らしい気持ちになりますよね。

主祭神:味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)
大国主命の御子神さまで、農業や開拓の神様です。
八槻都々古別神社では、豊作を願う「御田植(おたうえ)」という神事が室町時代から続いています。
このお祭りは、狐のお面をつけた演者がユーモラスに農作業を演じて、見る人を笑わせて福を呼ぶというもの。
「神様と一緒に笑って、豊作を願う」。
そんな温かさが、この神社の魅力です。
難しい歴史を知らなくても大丈夫。
境内にあるタコや動物が彫られたユニークな門を見上げたり、丁寧に手入れされた境内の空気を吸い込んだりすれば、ここが地域の人にとって「なくてはならない場所」だと、肌で感じられるはずです。


【実体験】都々古別神社境内の空気と、立ち止まった時間
2026年1月23日。
奇しくも「1-2-3」と数字が並ぶこの日、日本列島には大寒波が訪れていました。
しかし車を降りると、そこには驚くほど澄み渡った青空が広がっていました。
鳥居をくぐると、杉林に囲まれた境内はとても静かです。
参拝者は私以外に、トラックを停めて休憩している方が一人だけ。
石畳から一歩土の上へ降りると、足の裏に「シャクッ、シャクッ」という感触が伝わってきました。
地面には立派な霜柱。

その懐かしい音と感触を楽しみながら歩みを進めると、冷たく張り詰めた空気が、身体の中の澱みをすうっと押し出してくれるように感じます。
手水舎の水は凍っていました。
柄杓で氷を割り、冷たい水で手を清める。
その痛いほどの冷たさが、これから旅に出る私の目を覚ましてくれるようでした。

拝殿で手を合わせ、これから始まる47都道府県巡りの無事を祈ります。
「願い」というよりも、「行ってまいります」という報告。
すると、背筋が「スン」と伸びるような感覚がありました。

何かが見えたわけではありません。
ですが、「ただ、ここにいるだけで満たされている」という静かな確信だけが残りました。
池では、半分凍った水面の下で鯉が悠々と泳いでいました。
「こんなに寒いのに大丈夫かな」と心配になりましたが、彼らはただ淡々と、与えられた環境の中で命を燃やしている。
その姿がとても美しく見えました。

都々古別神社で授与いただける御朱印・お守り
参拝後、社務所へ向かいました。
時間は朝の9時半頃。
社務所が開いている時間は9時半~16時。
直書きの御朱印もいただけるようでしたが、忙しそうに朝の準備をされていたため、今回はお声がけを控え、書き置きの御朱印をいただきました。
- 初穂料:お気持ち(500円〜)
- 形式:書き置き(箱にお金を入れる形式)、直書き
私は専用の「一ノ宮御朱印帳」ではなく、自分のお気に入りの御朱印帳を持って巡っています。
スタンプラリーのように集めるのではなく、その時々の縁を大切にしたいからです。

御朱印は柔らかく、温かみのある文字でした。
社務所には交通安全のお守りなども並んでおり、静かな空間で、ゆっくりと選ぶことができそうです。
【重要】アクセス・駐車場・所要時間
都々古別神社は、少し奥まった場所にありますが、アクセスは比較的わかりやすいです。
アクセス方法
福島県の中央(郡山市)からだと約1時間半〜2時間。
国道118号線を南下して「棚倉町」を目指します。
レンタカーを借りる場合、新幹線が停まる新白河駅より車で1時間程度です。
JR郡山駅、もしくは水戸駅から「水郡線(すいぐんせん)」に乗車。
「近津(ちかつ)駅」で下車し、そこから徒歩約10分です。

駐車場・トイレ事情
- 駐車場:広めのスペースがあり、混雑の心配はありません。
- トイレ:
神社の近くに「観光ステーション」のような施設があり、そこのトイレが驚くほど綺麗でした。
近津駅にはトイレがないため、こちらで済ませるのがおすすめです。
車で来る女性の方も安心です。

所要時間の目安
境内はこじんまりとしているため、サッと回るなら30分ほど。
私のように霜柱を踏みしめたり、池を眺めたりしてのんびり過ごすなら1時間見ておくと良いでしょう。

参拝後の変化と、日常への戻り方

帰りに、神社のすぐ近くにあるJAの農産物直売所に立ち寄りました。
そこには、驚くほど安くて立派な大根や、地元のお母さんたちが作ったおむすびやお惣菜が並んでいました。
レジの女性と「乾燥リンゴは炭酸水で戻すと美味しいですよ」なんて、たわいない会話を交わす。

帰り道の国道118号線。
助手席には野菜とお土産。窓の外には冬枯れの田園風景と青い空。
行きと同じ道のはずなのに、帰りの景色はいつもより輝いて見えました。
神様のご利益とは、宝くじが当たることではなく、「日常の中にある豊かさに気づける心の余裕」を取り戻すことなのかもしれません。
対向車のドライバーの優しさや、野菜の安さ、空の青さ。
そんな「当たり前」に感動できる自分になれたこと。
それが、今回の一ノ宮参拝で頂いた一番のお土産でした。
心が少し疲れた時、自分の中の「豊かさ」の感度を取り戻したい時に、ぜひ訪れてみてください。
また、わたしが今回巡っている「全国の一之宮神社一覧」はこちらをご覧ください。
【おまけ】2023年12月に参拝のときの写真










